極端な品質劣化が目立たない限りは音質・画質に甘い私ですが、そうはいってもどうせなら少しでも高品質かつ低ファイルサイズで保存したいもの。
改めて設定を見なおしてみようと思い、ネットで調べて参考になった文章を引用しています。私自身が初心者なので、同じ悩みを抱えている方、たまにエンコードを行う程度の方には参考になると思います。下記内容は調査当時のものであり、技術進歩により条件はどんどん変わっていくだろうことには注意する必要があります。
PSP向けにエンコードを始めた頃から、同じ容量で圧倒的に高画質になる2パスエンコードを盲目的に信仰し、高画質を狙うときは常に使っていましたが、実際は品質基準VBR(可変ビットレート)の方が画質が上回る場合があることにびっくり。
まさにこれ。
2passエンコードとは何なのか
そもそも2パスエンコは、限られたビットレートを再配分して全体的な画質を維持するためのもの。
まず最終的なファイルサイズの目標値(ビットレート)を決めた上で、可能な限り高画質にするものです。
負荷の軽い部分のビットレートを削り、重い部分に振るわけですが、使える量(ビットレート)が先に定められているため、動きの激しい(必要ビットレートが高くなる)ソースだと、他を削っても足りない場合に破綻してしまう…とのこと。無い袖は振れないってことです。
逆に、動きの少ない(必要ビットレートが低い)ソースに対しては、より贅沢にビットレートを割り振れるため高画質となりますが、必要以上に割り振っても生成された動画の見た目には残念ながらあまり影響しない…
VBRは?
それに対して品質基準VBRでは、常に一定以上の画質は保証されます。
ただし、動きが激しいソースであればビットレートは全体的に高くなるので、容量が大きくなる可能性アリ。
逆に言えば、動きの少ないソースであれば2passよりも小容量で見た目が変わらないものが出来あがる可能性もあるってこと。
ということで、一般的にはエンコードに使うのはもっぱら品質基準VBRであり、2パスエンコはニコニコ動画やポータブル機向けなどのファイルサイズを気にする場合や、ビットレートの制限の中で可能な限り高画質にしたい時向け
crf指定はどの辺がいいのか?
品質は基本的に16~19です。数字が小さいほど綺麗に(ビットレートが多く)なります。
15以下にするのは構いませんが、ファイルサイズの割にあまり見た目変わらないので、最小15としておきます。
逆に20を超えると劣化が気になる場合が出てきます。おおむね最大20と考えます。
あとは実際にできあがったファイルサイズを見て、もう少し落とそうか、もう少し上げようかと作り直しをしてみるといいでしょう。
同じ番組でも毎回同じようなファイルサイズにするには、その都度調整が必要です。
via PT2で録画した映像をH.264で割と綺麗にエンコードする件・・・その3 – 六道坂の庵
SSIMを評価指標に
画質の客観的な品質基準として、x264にはSSIMという測定基準が設けられている。
このSSIMというのは、簡単に言うとエンコード前とエンコード後の画質の差をあらわすものであり、全く同一の場合1.0、0.98以上の数値であれば見分けがつかず、0.97になると、画質劣化が明らかに分かるようになる、と言われている。
変に映像を見比べるよりもこの数字を信用したほうが楽そう。
crf 16では0.99に近い値が出ており、crf 18で0.987, crf 19で0.986, そしてcrf 20で0.985と、なかなか良い数値が出ている。
crf 22で0.982, crf 24だと0.9797と、遂に0.98を割り、crf 30では0.966と、0.97すら下回ってしまい、一般的基準からは、crf 22あたりが高画質と呼べる限界ということになる。